2011年07月03日

野球肩の治療

スポーツ真っ盛りの季節ですね。
そうは言っても暑過ぎますが、
スポーツのシーズンは決まっていますから、
暑さに耐えるしかありません。
熱中症対策をしっかりして欲しいと思います。

さて、野球肩で2度目の来室のお客さん(うちでは患者さんとは呼びません)が
いらっしゃいました。
20歳過ぎの男性、草野球でピッチャー(サウスポー)をしているそうです。
前回(初回)、問診、触診、徒手のテスト(検査)等で、
左の上腕二頭筋長頭腱肩峰下で肩回旋筋腱板の圧痛が認められ、
それぞれの腱の炎症の可能性が高いと判断した症例です。
(医師ではないので診断はできません。)

前回は、全身マッサージ、左上腕二等筋への鍼治療、
肩回旋筋腱板ローテーターカフ)のリハビリ指導(ストレッチ、ダンベル・トレ)を
行ないました。
治療終了時点で、肩峰下でのローテーターカフの圧痛は消えましたが、
2日後に試合があると言う事で、
まだできるだけ投球はしないようアドバイスしましたが
やはり投げてしまうのではないかと心配していました。

今回は、それから約2週間たっていましたが、
やはり1試合に登板し、
今回も午前中に外野守備をしたということで、
左肩の状況は痛みがあるということでした。
肩峰下の運動痛は無いが
上腕二等筋長頭腱の辺りには痛みが出る事があるようでした。

まずは、全身の観察とマッサージを行ないましたが、
股関節周囲の筋が短縮して張っており、
うつ伏せに寝ている間左脚(股関節)が外旋(つま先が外向き)していました。
左肩の肩甲骨上の棘上筋棘下筋はマッサージによる圧痛を感じていました。
左上腕から前腕にかけても筋の緊張と圧痛を観察しました。
これらの筋の緊張と圧痛はマッサージにより多少改善したものの、
上腕二等筋長頭腱上の圧痛があまり改善しなかったので、
鍼治療を加えました。

この時点で、一度立ってもらい、
棘上筋棘下筋上腕二頭筋などのピッチング中の働きを説明し、
股関節が外旋しているためピッチング中早く左股関節が(上体が)"開く"可能性や、
左肘が下がって投球している可能性などを指摘し、
練習等で意識して問題解決を図るようアドバイスしました。
また、左肘を肩より挙げた位置で
肘を曲げたまま左肩を外旋内旋を繰り返す"テスト"をしてもらった上で、
鍼治療に入りました。。

座位で棘上筋棘下筋への3本ずつの刺鍼、
左腰にも1本鍼を打ち、
仰臥位で左上腕二頭筋に3本、前腕にも2本鍼を打ちました。
その後、上腕二等筋長頭腱の圧痛が弱まった事を確認し、
左肩をゆらゆら内外旋を繰り返す"テスト"を行なってもらい、
肩の痛み・違和感が大きく改善したことも確認できました。

最後にゴム(セラバンド)を使ったローテーターカフ筋
リハビリ・トレーニングを教えて
2回目の治療を終了しました。
この調子なら、2〜3日後には軽いキャッチボールくらいできそうです。

野球肩は、中高生や若いうちなら、
原因となる筋の機能不全を特定して、
適切な治療とリハビリ、技術の改善を図るだけでも克服可能なケースがほとんどなので、
早期に適切な治療を受けて欲しいと願っています。


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